『クレンチング症候群』って? - スタッフブログ

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2023/05/15
『クレンチング症候群』って?

こんにちは、衛生士の中村です^_^

今日は最近多くみられる、クレンチングについてです。
クレンチング?...聞き慣れない言葉かもしれませんが、気付くと、無意識のうちに「歯を食いしばっている」...ということはありませんか。そんな行動に心当たりがある場合、それは「クレンチング症候群」と呼ばれる"癖"かもしれません。
クレンチング症候群を放置し、無意識に歯を食いしばり続けていると最悪の場合、歯を失う原因になり得るかもしれないのです。

通常、食事時以外で上下の歯が接触している時間は、実はかなり短いです。何もしていないときには、『安静時空隙(あんせいじくうげき)』といって、上下の歯の間に1~3ミリ程度の隙間があるのが正しい状態といわれています。

何もしていないときにも、さまざまな動きとともに上下の歯を不必要に接触させていることを『ブラキシズム』と呼び、その接触の仕方によっていくつかに分類されます。

①クレンチング
 同じ位置で歯をグッと食いしばる
②グラインディング
 ギリギリと横にスライドさせるように擦り合わせる    
③タッピング
 無意識にカチカチと歯を何度もかみ合わせる
④TCH(Tooth Contacting Habit)
 無意識のときに、歯が常に軽く当たっている

原因はいくつかあり、身近なものとしては精神的ストレス、飲酒、喫煙、怒りっぽい性格などが挙げられ、また、うつ病や精神病薬の副作用、遺伝的な問題なども原因として考えられています。

では、このクレンチングを放置するとどうなってしまうのか、

IMG_2740.JPG

・歯自体に過度な力がかかり、歯に亀裂が入ったり、擦り減ったりする
・歯に入ったひびや亀裂などから刺激が入りやすくなり、知覚過敏になる
・歯の周りの組織に過度な力がかかり、歯が揺れたり、歯周病が悪化したりする
・顎の骨にも力が伝達し、骨が盛り上がる「骨隆起」が起こる
 (この状態は自身でも鏡で確認できます) ・下顎の関節に過度な力が伝達し、「顎関節症」が発現する ・そしゃく筋の痛みによって頭痛などが生じる 少しでも改善を期待するには、クレンチング時にかかる強い力から、歯や骨、顎の関節を守る目的で保護用のマウスピースを作成したり、そもそものかむ力を弱める目的でボトックス注射を行ったりするなどの処置があるそうです。 普段から出来ることは、食いしばりや歯ぎしりをしてしまう状況時に出来る限り意識して、肩の力をスッと抜くなど、リラックスする時間を作ってみて下さいね!

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