院長の小川です。 今回は、緑茶の効果のお話です。 緑茶のカテキン成分(EGCG)が、歯周病関連細菌に対して強力な抗菌効果を示すことが判ったそうです。(東北大学) 従来から緑茶カテキンは、抗菌作用、抗癌作用、抗酸化作用など、多くの生物学的機能を持つことが報告されていたが、今回の研究成果によって、主要な歯周病関連細菌(Porphyromonas gingivalis、Prevotella intermedia、Prevotella nigrescens、Fusobacterium nucleatum、Fusobacterium periodontium)の代謝を抑制することで、増殖抑制と死滅を誘導することが明らかになった。 なお、既に同研究グループによって、緑茶カテキンが口腔レンサ球菌の酸産生を抑制し、虫歯予防効果もあることが示されているが、歯周病関連細菌に対する EGCG の殺菌・増殖抑制作用は、S.mutans などのう蝕関連菌よりも低濃度で効果を示すことが確認された。 その理由として、S. mutans などのう蝕関連菌の多くがグラム陽性菌で厚い細胞壁に覆われているのに対し、歯周病関連菌はグラム陰性菌で細胞壁が薄く、EGCG による障害を受けやすいなどの可能性が考えられている。 【論文名】 Antimicrobial effects of epigallocatechin-3-gallate, a catechin abundant in green tea, on periodontal disease-associated bacteria 【掲載誌】Archives of Oral Biology 本来、お茶は不発酵茶(緑茶)・半発酵茶(ウーロン茶など)・発酵茶(紅茶)の3つに大きく分類されますが、一般的に緑茶がカテキン量の多いお茶として知られています。 緑茶と比較するとウーロン茶は45~70%、紅茶は30~40%のカテキン量であると言われます。 しかし、堤隆夫先生いわく本成果は歯周病予防および良好な口腔環境維持のための新規開発に貢献できる可能性が示されていますが、研究者も言っているように、本研究では浮遊している状態の歯周病関連細菌を用いて実験を行っているため、形成された口腔バイオフィルムやその形成過程に対する効果については現時点では不明であり、バイオフィルムは多様な細菌種からなる複雑な構造を持ち、形成過程も複雑であることから、今後、複数の細菌種からなるバイオフィルムモデルでの効果や実際の口腔内での効果を確認する必要があるようです。 つまり、もう既に歯面に付いてしまった細菌に対しての有効性がまだだそうです。 今後の研究に期待したいと思います。