院長の小川です。 今回は、健診の重要性についてお伝え致します。 歯科健診未受診の高齢者で死亡リスクが約1.5倍になることが、大阪府94万人のデータから判明した(大阪公立大学・大阪大学)。 歯科健診を受診していない群で高い死亡リスクを示した理由として、歯科健診のような定期的な歯科メンテナンスが、歯の喪失予防や口腔衛生維持に有益であることや、定期的な歯科メンテナンスに行く高齢者はもともと健康意識が高く、死亡リスクを下げるような健康行動を取りやすいことが考えられる。口の中の歯垢(プラーク)1gには、100億〜1000億個の細菌がいる。口腔ケアは命のケアである。 また、口腔内の頬粘膜を調べて "食道がん" かどうかがわかる方法が開発された(京都大学等)。頬の粘膜からスワブを⽤いて⾮侵襲的に細胞を採取し、遺伝⼦解析技術を⽤いて、最⼩で約 0.06㎟ のごく⼩さな遺伝⼦変異細胞を⾼精度に検出することに成功した。その結果、頬粘膜では、加齢、飲酒・喫煙、及びアルコール代謝関連遺伝⼦の多型といったリスク因⼦に応じて遺伝⼦変異が蓄積することが判明した。 学際的理念に依拠した命の延伸に寄与する研究は、人々に "生きる幸せ" と "生き続ける希望" をもたらしてくれる。 【論文名】Dental checkups and all-cause mortality in older adults aged ≥75 years: a large retrospective cohort study 【論文名】Somatic mosaicism in the buccal mucosa reflects lifestyle and germline risk factors for esophageal squamous cell carcinoma 歯の本数などの口腔の健康状態と死亡リスクには関連が あることが知られており、高齢化が進む日本では健康寿命の延伸を目指し、75歳以上の後期高齢者を対象とした後期高齢者歯科健康診査事業が2018年度から開始され した。しかし、高齢者を対象とした公的な歯科健診は世界でも例がなく、その有益性は明らかになっていません。 共同研究グループは、2017年10月~2019年3月の期間、継続して大阪府後期高齢者医療保険に加入していた75歳以上の946,709人を対象に、歯科健診 。 歯科受診の 有無と死亡の関連を生存時間解析で検討しました。対象者を4群 (Q歯科健診有り •歯科受診有り @歯科健診有 り• 歯科受診無し 齒科健診無し .歯科受診有り 歯科健診無し 。歯科受診無し) に分け、年齢や基礎疾患などの背景因子が一致する対象者ごとに分析した結果、群の高齢者は、Q群の高齢者に比べて死亡リスクが男性で1.45倍、女性で1.52倍であることが明らかになりました。 いかがでしょうか。 歯科健診を受けて頂いた方が宜しいと思います。 宜しくお願いします。