院長の小川です。 今回は、口腔清掃が死亡リスクには関係していることのお話です。 歯間清掃具(歯間ブラシやデンタルフロス)や舌ブラシを使用している人は、全死因死亡リスクが低いことが明らかになった。全国の65歳以上の高齢者 9,676 人を対象に6 年間にわたり、複数の日常的な口腔保健行動と全死因死亡リスクとの関連を検証した結果の知見である(東京科学大学)。 歯周病や虫歯の原因となる歯間の歯垢(プラーク)は、歯ブラシのみのブラッシングでは約6割程度しか除去できないと言われている。舌表面の汚れはアセトアルデヒドの発生源となり、口や喉のがんの原因になることも指摘されている。 また、誤嚥性肺炎は高齢者の主要な死因の1つであり、口腔のケアが病院や介護施設における肺炎の発症を減少させることは周知であるが、比較的健康で要介護認定を受けていない高齢者において、口腔のセルフケアが死亡率に及ぼす長期的な影響は今まで十分に明らかではなかった。 そこで本研究では、複数の日常的な口腔保健行動が全死因死亡リスクの低下と関連するかどうか、また、その関連が社会人口統計学的要因、行動要因、および健康関連要因によってどのように変化するかを検証することを目的とした。 本研究によって、歯間清掃や舌ブラシといった簡便で低コストな口腔保健行動が、健康寿命の延伸や健康長寿の実現に寄与する可能性が示唆された。 超高齢社会の今日、日常生活の中で取り組みやすい口腔保健行動の重要性を示す知見として、高齢者の健康づくりや介護予防施策への活用が期待される。正に、口腔内環境を清潔に整えることは、健康維持のための要である。 【論文名】Routine oral health practices and all-cause mortality among older Japanese adults: A 6-year cohort study 【掲載誌】Journal of Dentistry